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Willrose hills 赤塚公園   (2012)

東日本大震災直後の2011年に計画がスタートした、伝統工法に拠る14棟の木造建売分譲住宅群。東京の北部に計画されたこの住宅群は、東京では珍しく、起伏のある美しい森や公園が点在する景観最重点地域内にあり、南面傾斜に計画された絶好のロケーションである一方、敷地面積85sqmいわゆる「狭小」住宅の集落を形成している。計画が震災直後からスタートした事もあり、地震や火災に対する安全性を確保しながら、震災で傷ついた心を繋なぐ架け橋としての環境デザインを追求した。私たち日本人が震災を経験して感じた「人と人との繋がり・心の絆の大切さ」を分かち合う為には「自分の住む界隈を大切に思う気持ちの醸成」と「心に残る美しいデザイン」が必要だと結論づけた。そこで周辺環境との共生を考え、住民の方達が自発的に手入れできる最新の緑化施策を取っている。単に環境を延命させる事のみならず、住民同士のメンテナンスを通じたコミュニケーションの活性化を狙ったものである。日本人は、元来自分の住む環境を手入れすることで高い倫理観を形成してきた。この住宅群は、現在を生きる私たち日本人が忘れてしまった「手入れ」を呼び起こす為に、緑を通じてここに住む人たちの価値感を受け入れながら、建物や自分たちの住む界隈を大切に思う気持ちや記憶としての情景が芽生えるように企てている。